母乳育児について

 

 

 

2020.6.19追記

 

 完全母乳育児を希望されているママへ。

 

 出産前からご自身のおっぱいや乳頭の形に関心を持ちましょう。通っている産院では

 妊娠期間中に乳房の確認やケアはありますか?

 

 陥没、扁平、短小、変形等の乳頭の形状の場合、そのまま何もケアしていなかった方

 で、産後スムーズに直接授乳(直母)ができなくなるケースに遭遇することが特に

 最近多く、この記事を追記しています。

 

 産後は急激に乳汁産生が始まり、おっぱいが張ってきます。そうなると、触っただけ

 でも痛みを生じるので、乳頭のケアどころではありません。

 

 張ってくるのに吸わせられないから痛い。搾乳しようにも、まだ乳汁の排出に慣れない

 おっぱいは、慣れた助産師の手でなければ搾乳も難しく、射乳がない段階での搾乳器

 では搾る事ができません。最初からご自身での自己搾乳も手技的に難しいでしょう。

 

 直母困難、ママの乳頭拒否という事例にたくさん遭遇してきた私が強く言いたいこと

 は、直接授乳(直母)で育児をしたいご希望がある場合は、産前からケアしてくださ

 い。産後も初回授乳から哺乳瓶の人工乳首ではなく、ママの乳首を吸わせてください。

 

 赤ちゃんは、最初に口唇に触れたもの、最初に飲んだ感覚、感触を覚えます。

 

 特にママの乳首が吸いづらい形状だと、哺乳瓶の人工乳首を初回から与え、散々覚えて

 しまった後の矯正はかなりの困難を極めます。

 

 間違っても乳頭保護器を使わないでください、乳頭保護器は直母の補助になるものでは

 ないことを声を大にして言います。

 

 現に私の所には、産後いつまで経っても直母ができず困って連絡をくださる方が多々

 います。

 

 皆様が困難を生じることなくスムーズに母乳育児ができる事をいつも願っています。

 

 

 

分娩後、入院中にママ一人で赤ちゃんに授乳できるようになれば、退院後も自宅(または里帰り先)で母乳育児を続けられる確率が高くなりますが、入院中に赤ちゃんにうまく乳首を吸わせられないまま退院すると、その後、ママは一人で格闘することになり、赤ちゃんは上手く吸えず泣きますし、ママも焦ってしまいます。

 

また、ママは慣れない育児と家事で大変な中、夜間も赤ちゃんのお世話や授乳で十分に睡眠もとれず、疲れたママは、更に泣きじゃくる赤ちゃんにオロオロし、ミルクを与えてしまいがちです。

 

母乳は一定の間隔で吸啜刺激(きゅうてつしげき=赤ちゃんがママの乳首を直接吸う刺激)を与えないと、だんだんと母乳の分泌量が減少し、ついには停止に至ります。すなわち、直接授乳による吸啜刺激が、脳下垂体前葉からの乳汁分泌ホルモンであるプロラクチンの分泌を促すのですね。

 

また、母乳の分泌はママの精神状態、栄養状態、疲れ等、様々な要因によっても増減します。

 

母乳の利点はネットや本など、色々な所で紹介されていますので今更述べる必要もないと思いますが、赤ちゃんに必要な栄養学的な面だけでなく、母子のスキンシップ、情緒の安定、授乳により乳がんの発生率が低下するなど、多くの利点がありますので、助産師として、同じ女性、母として、可能であれば、母乳育児をなさって欲しいと思っています。

 

また、自分自身が4人の母乳育児を経て、母乳育児は究極の産後ダイエット!体重を減らすには母乳育児が効果絶大!!!というのを実感しています。(ちなみに、4人目の長男を平成27年1月に出産しましたが(長男の妊娠時は最終的に6.5kgのup)産後1か月で妊娠前の体重に戻っています。

二女出産の際には13キkgアップしてしまった極悪妊婦でしたが、産後2か月で元通りでした)

 

しかし、私は母乳信者ではありませんので、母乳にするか否かはママの意向を尊重します。

 

母乳でもミルクでも、肩の力を抜いて楽しく育児をして欲しいですが、母乳で頑張りたい!でも、一人じゃ難しい、慣れるまで助産師さんアドバイスを!というときは、どうぞ、遠慮なくお声掛け下さい、助産師の出番です。

 

 

 

また、とうごう助産院では「断乳・卒乳」に関する相談や指導も行っています。

私は基本、「卒乳」でいいと思っていますが、仕事復帰等様々なご事情で「断乳」を希望される方は時期を決めて計画的に進めていくことが必要です。

 

是非、ご相談ください。